リゾートバイトの給料から引かれるもの|月22万円の手取りの内訳【2026年版】

リゾートバイトの給料から引かれるのは、次の5つです。健康保険・厚生年金(社会保険)、雇用保険、所得税は毎月、住民税は翌年からです。寮費・食費は、契約があるときに別に引かれます。
- 月給22万円(通勤手当・残業なし)で3か月働く場合、東京の例では、社会保険料が月32,318円、所得税が月3,910円(甲欄)で、手取りは月183,772円です。
- 働き始めに「扶養控除等申告書」を出さないと、所得税が月15,400円(乙欄)になり、手取りは月172,282円に下がります。3か月で約3.4万円の差です。
- 所得税は、毎月は概算で引かれます。年収が少ないと、あとで確定申告をして戻せます(戻し方の記事)。
- 契約が2か月以内で延長がなければ、健康保険・厚生年金は引かれません(大学生のリゾートバイトと親の扶養)。ただし、雇用保険は、週20時間以上で31日以上働く見込みがあれば、2か月の契約でも引かれます(昼間の学生は原則対象外)。
この記事の内容
派遣会社経由のリゾートバイトでは、給料を払うのは、雇い主である派遣会社(派遣元)です。給料から引かれるものも、派遣会社が計算して、引いて、納めます。 この記事では、給与明細に並ぶ項目を、公的資料で確かめた数字と一緒に、順に説明します。
給料から引かれるものの一覧
| 引かれるもの | 引かれる条件 | 月22万円の例(東京) |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 社会保険に入るとき。入社日から。 | 11,088円 |
| 厚生年金保険料 | 社会保険に入るとき。入社日から。 | 20,130円 |
| 雇用保険料 | 週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みがあるとき。昼間の学生は、原則として対象外。 | 1,100円 |
| 所得税 | 毎月、国税庁の「月額表」で、概算の額が引かれる(時給・日給で2か月以内の契約なら「日額表」)。 | 3,910円(甲欄)/15,400円(乙欄) |
| 住民税 | 働いた翌年の6月ごろから。 | この年は引かれない |
| 寮費・食費など | 契約と、労使協定があるとき。 | 契約による |
例の前提:月給22万円(通勤手当・残業なし、毎月同じ額)、23歳以上、扶養する家族なし、派遣会社が協会けんぽ(東京都の保険料率)、3か月の契約。
40〜64歳の人は、このほかに介護保険料がかかります。
月22万円だと、手取りはいくらになるか
上の前提で、1か月分を計算すると、次のとおりです。
| 項目 | 金額(1か月) |
|---|---|
| 給料(額面) | 220,000円 |
| 健康保険料(子ども・子育て支援金を含む) | −11,088円 |
| 厚生年金保険料 | −20,130円 |
| 雇用保険料 | −1,100円 |
| 社会保険料などを引いた後 | 187,682円 |
| 所得税(扶養控除等申告書を出した:甲欄) | −3,910円 |
| 手取り(甲欄) | 183,772円 |
| 所得税(出していない:乙欄) | −15,400円 |
| 手取り(乙欄) | 172,282円 |
3か月では、社会保険料が合わせて96,954円、所得税が甲欄で11,730円、乙欄で46,200円です。 この表の手取りには、寮費・食費の天引きと、翌年の住民税は入っていません。
- 協会けんぽの料率は、県で違います。最も低い県と高い県で、同じ月給22万円でも、健康保険料が月に1,500円ほど変わります。派遣会社が協会けんぽではなく、健康保険組合に入っている場合は、組合ごとの料率になります。
- 昼間の学生は、原則として雇用保険に入りません。その場合は、表から雇用保険料1,100円を除いた額になります。
- 社会保険に入らない場合は、所得税の額も変わります。社会保険料を引かないぶん、月額表の別の行になります(貯金の目安の記事に、その場合の額があります)。
- 通勤手当や残業代があると、保険料の元になる額(標準報酬月額)が変わります。この表は、通勤手当・残業なしの例です。
社会保険料:入る月と、辞める月のルール
健康保険料と厚生年金保険料は、「標準報酬月額」という、月給を区切った額に、保険料率をかけて決まります。会社と本人が、半分ずつ負担します。 月給22万円の人の標準報酬月額は22万円で、東京の協会けんぽでは、本人負担が健康保険料10,835円、子ども・子育て支援金253円、厚生年金保険料20,130円です(令和8年度の保険料額表)。 入社のときは、その時点の見込みの報酬で決まります。通勤手当も含まれます。
短期のバイトで知っておきたいのは、月の途中の入社や退職でも、保険料は日割りにならず、月単位で決まることです。
| 場合 | 保険料 |
|---|---|
| 月の途中で入社した | 入社した月の分が、1か月分かかります。 |
| 月の末日まで働いて辞めた | 辞めた月の分も、かかります。 |
| 月の途中(末日より前)に辞めた | 辞めた月の分は、かかりません。 |
資格を失うのは、辞めた日の翌日だからです。末日に辞めると、資格を失うのは翌月1日になり、辞めた月の分までかかります(健康保険法36条・156条)。
なお、同じ月に入社して辞めた場合は、その月の分がかかります。
もう1つ、保険料は「前の月の分」を、今月の給料から引くのが基本です。辞めるときは、会社は前の月の分と、辞めた月の分を、まとめて引くことができます(健康保険法167条)。月の末日に辞めた場合は、とくにこの形になります。 そのため、最後の給料は、締め日と支払日によっては、2か月分の保険料が引かれて、少なく見えることがあります。 何回目の給料から、いくら引かれるかは、派遣会社の締め日と支払日で変わります。
そもそも社会保険に入らない場合もあります。2か月以内の契約で、延長の見込みがない人。季節的な仕事で、4か月を超えない人です(リゾートバイトが当たるかは、個別の判断になります)。 ただし、2か月以内の契約でも、就業規則や契約書面に「更新する場合がある」と書かれているか、同じ派遣会社で、同じような契約の人が更新された実績があれば、最初の日から加入します。 入るかどうかは、求人票を確かめる記事の、社会保険の項を見てください。
所得税:毎月は「概算」で、あとで精算する
毎月の給料から引かれる所得税は、国税庁の「源泉徴収税額表(月額表)」で決まる概算です。1年間の本当の税額とは別に計算され、差は、年末調整か確定申告で精算されます。
甲欄と乙欄:働き始めに出す紙で決まる
「給与所得者の扶養控除等申告書」を、勤務先(派遣会社)に出した人は甲欄です。出していない人は乙欄になり、同じ給料でも、引かれる所得税が約4倍です。 月22万円の例(社会保険料などを引いた後が187,000円以上189,000円未満)では、甲欄の扶養親族なしが月3,910円、乙欄が月15,400円です(令和8年分の月額表。2026年中に払われる給料)。
働き始めの書類には、この申告書が入っていることが多いです。派遣会社に、「扶養控除等申告書を出していますか」と聞いてみましょう。ほかの会社でもアルバイトをしていて、そちらに出している場合は、こちらは乙欄になります。
2027年1月以降に払われる給料は、令和9年分の月額表で、同じ行が甲欄3,740円、乙欄14,900円になります(3か月の差は約3.3万円)。冬のシーズンは、給料の大半が2027年に払われます。
例外もあります。時給・日給で、雇用契約があらかじめ2か月以内と決まっているときは、月額表ではなく、日額表の「丙欄」で計算されます(申告書の有無は関係ありません。国税庁タックスアンサーNo.2511)。この記事の例は3か月の契約なので、甲欄と乙欄で説明しています。
引かれた所得税を、取り戻す
その年の給与のほかに収入がなく、年間の給与収入が178万円以下なら、本来の所得税は0円です(くわしくは貯金の目安の記事)。引かれすぎた所得税は、次の方法で戻ります。
- 同じ年に、別の会社で働いた:新しい勤務先に、前の会社の「源泉徴収票」を出すと、年末調整で一緒に精算されます。
- 同じ年に、ほかで働かない:その年の給与の総額が136万円以下なら、辞めるときに派遣会社が年末調整をして、引かれすぎた分を戻してくれることがあります。源泉徴収票の「源泉徴収税額」で確かめましょう。戻っていなければ、翌年以降に、自分で確定申告(還付申告)をします。期限は、その年の翌年1月1日から5年間です。手順は引かれた所得税の戻し方にまとめました。
- 乙欄で引かれた分:年末調整の対象にならないので、確定申告で精算します。
どの場合も、「源泉徴収票」が必要です。派遣会社は、年の途中で辞めた人には、辞めた日から1か月以内に、源泉徴収票を渡さなければなりません(所得税法226条)。届かないときは、派遣会社に連絡しましょう。 戻る額は、その年のほかの収入によって変わります。
交通機関で通う人の通勤手当は、最も経済的で合理的な経路の運賃などが、月15万円までは、所得税がかかりません。寮までの赴任の交通費は、通勤手当とは別のものです。
住民税:働いた翌年に、自分で払うことが多い
住民税は、前の年の所得にかかる税金で、1月1日に住所がある(ふつうは住民票のある)市区町村が課税します。 たとえば、2026年に働いた分は、2027年6月ごろから払います。独身で給与だけなら、2026年の給与収入が119万円を超えると、住民税がかかり始める目安です(くわしくは貯金の目安の記事)。
- 特別徴収:勤務先が、毎月の給料から引いて納める方法です。4月1日の時点で給料をもらっている人が対象です。
- 普通徴収:自治体から届く納付書で、自分で払う方法です。
短期で辞めた人は、翌年の4月1日に給料をもらっていないことが多く、普通徴収になると考えられます(地方税法の定め)。翌年の4月1日にほかの会社で働いていれば、そこで特別徴収されることもあります。実際の扱いは、自治体と会社で違います。 翌年に納付書が届いたら、払う時期(6月・8月・10月・1月)を確かめておきましょう。
寮費・食費など、会社が引くお金
賃金は、全額を払うのが原則です。引いていいのは、法令で決まっているもの(税金と社会保険料)と、労使協定があるもの(寮費・食費・駐車場代など)です(労働基準法24条)。協定があれば何でも引けるわけではなく、引く項目は、契約や協定で決まっている必要があります。 契約書面に書かれていない天引きがあれば、派遣会社に理由を聞いてください。
寮や食事が無料、または安いときは、「現物給与」として、社会保険料の計算に上乗せされることがあります。価額は、派遣会社の事業所がある都道府県で決まります。 計算の例は、寮費・光熱費・食費の記事を見てください。求人票での確かめ方は、求人票を確かめる記事に書いています。
最初の給与明細で、確かめる5つ
- 1支給額(額面)
- 220,000円
- 2健康保険料
- −11,088円
- 2厚生年金保険料
- −20,130円
- 2雇用保険料
- −1,100円
- 3所得税
- −3,910円
- 4寮費・食費
- 契約の額
- 差引支給額(手取り)
- 183,772円
- 5締め日・支払日
- 明細の欄外
- 支給額(額面)が、契約書面の時給・日数・残業の条件と合っているか
- 健康保険・厚生年金・雇用保険の行があるか。契約書面に「社会保険に入る」と書かれているかと、合っているか
- 所得税の額が、甲欄の目安(月22万円なら数千円)に近いか。約4倍なら、乙欄になっているかもしれません
- 寮費・食費などの天引きが、契約の額と合っているか
- 締め日と支払日、最後の給料がいつ払われるか
給与明細の書き方は、会社によって違います。子ども・子育て支援金は、健康保険料に含めて書く会社も、別の行に書く会社もあります。 合わない点があれば、まず派遣会社に聞きます。納得できないときは、労働基準監督署や、都道府県の労働局に相談できます。
よくある質問
2か月の契約なのに、社会保険料が引かれていました。なぜですか?
考えられる理由は2つあります。1つは、雇用保険です。週20時間以上で31日以上働く見込みがあれば、2か月の契約でも引かれます(昼間の学生は原則対象外)。もう1つは、健康保険・厚生年金です。就業規則や契約書面に「更新する場合がある」と書かれているか、同じ職場で同じ契約の人が更新された実績があると、2か月以内の契約でも、最初の日から入ります(日本年金機構)。どの保険料か、入る理由は何かを、派遣会社に聞いてみましょう。
辞めたあとの最後の給料が、思ったより少ないのはなぜですか?
社会保険料は前の月の分を引くのが基本で、月の末日に辞めたときなどは、前の月の分と辞めた月の分が、まとめて引かれることがあるためです。給与明細の保険料の欄を見てください。
所得税が乙欄で引かれていました。戻りますか?
給与のほかに収入がなく、年間の給与収入が178万円以下なら、確定申告で戻る見込みです(年の給与が136万円以下で年内に再就職しないときは、辞めるときの年末調整で戻ることもあります)。源泉徴収票が必要なので、派遣会社から受け取ってください。戻る額は、ほかの収入によって変わります。
辞めたあとに、住民税の納付書が届きました。払う必要がありますか?
前の年に給与があった人には、翌年に住民税がかかることがあります。給与が少ないと、かからない場合もあります。納付書の内容に心当たりがなければ、市区町村の窓口に確認してください。
自分の条件で、数字を確かめられます。自分の条件で、社会保険料・所得税・寮費を引いた手取りの内訳を、数字で確かめられます。入力した内容は送信されません。
手取りと扶養を計算するこの次に読む
この記事で使った出典(2026年10月30日確認)
- 協会けんぽ 令和8年度 東京支部の保険料額表(標準報酬月額22万円の行)
- 協会けんぽ「令和8年度の保険料率(都道府県毎)」
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表(月額表)」
- 国税庁「令和9年分 源泉徴収税額表(月額表)」
- 国税庁 タックスアンサー No.2511「税額表の種類と使い方」
- 国税庁 タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」
- 国税庁 タックスアンサー No.2582「電車・バス通勤者の通勤手当」
- 国税庁 タックスアンサー No.1910「中途退職で年末調整を受けていないとき」
- 国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」(申告できる期間)
- 国税庁 タックスアンサー No.2674「中途就職者の年末調整」
- 日本年金機構「厚生年金保険料の納付」(月末退職・前月分の控除)
- 日本年金機構「2か月以内の契約の取扱い」(令和4年10月)
- 日本年金機構「現物給与の価額」(令和8年度)
- 厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き」第2編(令和8年8月版)
- 厚生労働省(労働局)「令和8年度の雇用保険料率」
- 健康保険法(e-Gov法令検索)36条・156条・167条
- 厚生年金保険法(e-Gov法令検索)14条・19条・84条
- 所得税法(e-Gov法令検索)190条・226条
- 地方税法(e-Gov法令検索)318条・319条・321条の3・321条の5
- 労働基準法(e-Gov法令検索)24条
- 雇用保険法(e-Gov法令検索)6条
- 神奈川労働局「賃金控除に関する労使協定を締結していますか?」
この記事は一般的な情報です。個別の契約の扱いは、勤務先(派遣会社)、税務署、年金事務所・保険者、市区町村に確認してください。
更新履歴
- 2026.11.04 現物給与の計算の例へのリンクを変更
- 2026.11.01 給与明細の見本(図)を追加。社会保険と雇用保険の書き分けをそろえ、住民税の記述を更新
- 2026.10.30 公開