この記事の内容
「介護の仕事が向いていないのかもしれない」と感じたとき、 本当に向いていないのが介護そのものなのか、 今いる職場の形態なのかは、切り分けたほうがいい部分です。 同じ介護職でも、施設の種類によって1日の流れも夜勤の有無もまるで違います。
| 特別養護老人ホーム | 介護老人保健施設 | 訪問介護 | デイサービス | |
|---|---|---|---|---|
| 位置づけ | 生活の場(長期入所) | 在宅復帰を目指す中間施設 | 利用者の自宅へ訪問 | 日中の通所 |
| 夜勤 | あり | あり | 原則なし(夜間対応型を除く) | 原則なし |
| 関わり方 | 同じ利用者と長期間 | 数か月単位で入れ替わる | 1対1 | 集団+個別 |
| 医療・リハ職 | 看護職が配置 | リハビリ職の配置が手厚い | 基本は単独で訪問 | 看護職が配置 |
生活の場であるため、要介護度が高い方が長期間入所します。 身体介護の比重が大きく、夜勤もあります。 一方で、同じ利用者と長く関わるため、関係を積み重ねられるという性質があります。 「腰など身体の負担」がしんどさの中心になりやすい形態です。
在宅復帰を目標とする施設で、リハビリ職の配置が手厚いのが特徴です。 入退所の入れ替わりがあるため、 「利用者との関係を作りかけたところで退所になる」という感覚を持つ人もいます。 多職種と関わる機会が多く、連携が得意な人には向きます。
1対1で、利用者の自宅に伺う形です。 集団のペースに合わせる必要がない一方、 その場で判断しなければならない場面が多く、移動時間も発生します。 「人間関係の煩わしさが理由で辞めたい」人には合う可能性がありますが、 「一人で判断するのが不安」な人にはつらい形態です。
日中のみの通所のため、原則として夜勤がありません。 生活リズムを崩したくない人が最初に検討する選択肢になりやすい形態です。 レクリエーションの企画・準備が業務に含まれることが多く、 「介護以外の準備仕事」の量は事業所によって差があります。
代表的な4つ以外にも、求人でよく見る形態があります。 「特養は無理」と判断した人が、実はこちらのほうが合っていたということは珍しくありません。
| 形態 | 特徴 | 夜勤 |
|---|---|---|
| グループホーム | 認知症の方が少人数(1ユニット9人以下)で共同生活。家事支援の比重が高い | あり(少人数体制) |
| 介護付き有料老人ホーム | 民間運営。施設ごとにサービス水準の差が大きい | あり |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 自立度の高い方が多く、身体介護は比較的軽い | 施設による |
| 小規模多機能型居宅介護 | 通い・訪問・泊まりを1つの事業所で提供。業務の幅が広い | あり |
| ショートステイ | 短期入所。利用者の入れ替わりが早い | あり |
グループホームは、1ユニットの定員が少ないぶん、 夜勤も少人数を1人で見る形になります。 「夜勤があるかどうか」だけでなく、 夜勤の体制が1人か複数かは、実際の負担を大きく左右する項目です。 求人票では分からないことが多いので、面接で必ず確認してください。
| 今つらいこと | 検討できる方向 |
|---|---|
| 夜勤で生活リズムが崩れる | デイサービス、訪問介護(日中帯) |
| 身体的な負担が限界 | デイサービス、相談員・ケアマネ方向への転換 |
| 職員同士の人間関係 | 訪問介護(単独訪問が中心) |
| 一人で判断するのが不安 | 施設系(特養・老健)でチーム内の相談先がある環境 |
| 同じことの繰り返しに感じる | 老健(入退所の動き、多職種連携) |
「介護を辞める」の前に「形態を変える」がある。 資格・経験がそのまま活き、給与の落ち幅も業種転換より小さくなります。
これから介護に入る人、あるいは資格を持たずに働いている人にとっては、 形態ごとの「入りやすさ」も判断材料になります。
資格の段階と要件は介護福祉士とケアマネの受験資格の記事で整理しています。 働きながら資格を取る制度を持つサービスもあるので、 「まず無資格で入って、働きながら初任者研修」という順番は現実的な選択肢です。
形態を変えるときに最も後悔しやすいのが、収入の落ち幅を見誤ることです。 「月給は同じくらいだから大丈夫」と思って移ったら、 手取りが数万円下がったという話はよくあります。原因はほぼ夜勤手当です。
次の順で計算すると、比較できる形になります。
夜勤を減らすなら、下がる金額をあらかじめ知ったうえで選ぶ。 「体はラクになったが生活が回らない」が一番つらい着地です。 下げ幅が許容できないなら、夜勤の回数だけを減らす交渉が先に来ます。
なお、処遇改善加算は事業所が算定している区分によって支給額が変わります。 同じ形態でも事業所ごとに差が出る部分なので、 求人票の「処遇改善手当あり」という記載だけでは金額は判断できません。 具体的な求人の探し方は、 介護・保育・看護の仕事の探し方にまとめています。