仕事のリアル
2026年09月07日 公開 ・ 資格

介護福祉士とケアマネ、受験資格を整理する

田村みなみ
田村みなみ
介護・保育・看護のリアル担当
本ページにはアフィリエイト広告(PR)を含みます。掲載の基準はコンテンツポリシーをご覧ください。

この記事の内容

  1. 介護福祉士:実務経験3年+実務者研修
  2. ケアマネジャー:5年かつ900日
  3. 2つの資格の位置づけの違い
  4. その手前にある2つの研修
  5. 研修の費用をどう抑えるか
  6. 先にやること:自分の日数を数える
  7. 資格を取ると、実際に何が変わるのか
  8. まとめ

「資格を取れば楽になる」と言われても、 自分がいつ受験できるのかが分からないまま働き続けている人は少なくありません。 介護福祉士とケアマネジャー、それぞれの受験資格を数字で整理します。

介護福祉士:実務経験3年+実務者研修

働きながら介護福祉士を目指す場合、いわゆる「実務経験ルート」になります。 要件は次の2つを両方満たすことです。

要件内容
実務経験従業期間3年(1,095日)以上 かつ 従事日数540日以上
研修実務者研修の修了

見落とされやすいのが、「3年」と「540日」は別々の条件で、両方必要という点です。

つまり、パート勤務の人ほど「日数」を、短期集中で働いた人ほど「期間」を確認する必要があります。

ケアマネジャー:5年かつ900日

介護支援専門員(ケアマネジャー)の受験資格は、さらに長い実務経験が必要です。

要件内容
実務経験通算5年以上 かつ 従事日数900日以上
対象となる業務国家資格等に基づく業務、または施設等での相談援助業務

介護福祉士と同じく、「5年」と「900日」は互いに独立した条件で、両方を満たす必要があります。 また、対象となるのは「国家資格等に基づく業務」または「相談援助業務」であり、 無資格での介護業務の期間がそのまま算入されるとは限りません。 自分の従事してきた業務がどちらに該当するかは、事前に確認が必要です。

2つの資格の位置づけの違い

介護福祉士ケアマネジャー
実務経験3年(1,095日)かつ540日5年かつ900日
研修実務者研修が必須合格後に実務研修
主な仕事現場の介護、チームのリーダー役ケアプラン作成、関係機関との調整
身体的負担現場業務が中心相談・調整業務が中心

身体的な負担を減らしたい人にとっては、ケアマネジャーが選択肢になります。 ただし要件が重く、書類・調整業務が中心になるため、 「現場が好きだが体力的に不安」という人と「調整業務のほうが向いている」人では、 満足度が変わります。

その手前にある2つの研修

介護福祉士とケアマネジャーは、いきなり目指すものではありません。 無資格から始める場合、手前に研修が2段階あります。 ここを飛ばして「3年後に介護福祉士」と考えると、計画がずれます。

介護職員初任者研修実務者研修
位置づけ介護の入口。無資格でも受講できる介護福祉士の受験に必須
受講時間130時間450時間(初任者研修修了者は一部免除)
実務経験不要不要(受講自体には要件なし)
できるようになること訪問介護の身体介護など喀痰吸引等(別途研修と要件あり)

重要なのは、実務者研修は実務経験3年を待たなくても受けられることです。 3年経ってから研修を始めると、修了まで数か月かかり、その年の試験に間に合わないことがあります。 実務経験の要件を満たす時期から逆算して、先に研修を終えておくのが定石です。

研修の費用をどう抑えるか

研修には受講料がかかります。金額はスクールや地域によって差があるため、 「いくら」と一律には言えませんが、負担を下げる仕組みはいくつかあります。

注意

貸付型の助成には「一定期間その地域で介護職として働くこと」といった返還免除の条件が付きます。 途中で辞めると返還が必要になる場合があるので、条件は申し込み前に必ず読んでください。

先にやること:自分の日数を数える

いつ受験できるかが分からない状態は、それだけで判断を先送りさせます。 次の手順で概算できます。

  1. これまで勤務した事業所ごとに、在籍期間を書き出す
  2. それぞれの月あたりの平均勤務日数を思い出す
  3. 掛け算して合計日数を出す(正確な数字は後で証明書を取ればよい)
  4. 「期間」と「日数」のどちらが先に足りなくなるかを見る

実際の受験申込みでは、勤務先が発行する実務経験証明書が必要になります。 退職した事業所の分も必要になるため、 転職を挟んでいる人は早めに手配の見通しを立てておくと安全です。

POINT

「あと何年」ではなく「あと何日」で考える。 パート勤務の人は、期間より先に日数が足りなくなることが多い。

資格を取ると、実際に何が変わるのか

「資格を取れば楽になる」の中身を、もう少し具体的に見ておきます。 変わるのは主に3つで、それぞれ効き方が違います。

変わるところ内容
手当資格手当を設けている事業所が多い。金額は事業所ごとに違うため、求人票で確認する
役割介護福祉士はチームのリーダーやサービス提供責任者の要件になることがある
応募できる求人「介護福祉士必須」「有資格者優遇」の求人が対象に入る。選べる範囲が広がる

注意しておきたいのは、資格を取っても今の職場の運用は自動では変わらないことです。 手当が付いても、業務内容も人員配置も同じままなら、体感の負担は変わりません。 「資格を取って現状を変える」のではなく、 「資格を取って、選べる職場を増やしたうえで変える」という順番のほうが現実に即しています。

また、介護職員等処遇改善加算は事業所が算定している区分によって支給額が変わる仕組みです。 同じ資格・同じ経験でも、事業所が違えば手取りは変わります。 資格を取る計画と並行して、 どこで求人を探すかも見ておくと、 取ったあとの動きが早くなります。

まとめ

本記事は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターおよび各自治体が公表している 受験資格の要件をもとに整理しています。 実際の受験可否は、必ず試験実施機関の最新の募集要項でご確認ください。

関連記事