仕事のリアル
2026年09月08日 公開 ・ 働き方

介護・保育の「派遣」と「正社員」は何が違うのか

田村みなみ
田村みなみ
介護・保育・看護のリアル担当
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この記事の内容

  1. 雇用主が誰かで、ほとんどが決まる
  2. 派遣が向いている場面
  3. 派遣で気をつけること
  4. 紹介予定派遣という中間の形
  5. 「同一労働同一賃金」で何が変わったか
  6. 契約前に必ず確認する5項目
  7. 選び方の順番
  8. まとめ

介護や保育の求人を見ていると、同じような仕事なのに 「正社員」「派遣」「パート」「紹介予定派遣」と雇用形態が並んでいます。 時給だけを見ると派遣が高く見えることも多く、どれを選べばいいのか分かりにくい部分です。 ここでは、何がどう違うのかを整理します。

雇用主が誰かで、ほとんどが決まる

いちばん大きな違いは、誰に雇われているかです。 ここが分かれば、あとの違いはだいたい説明がつきます。

正社員・パート(直接雇用)派遣
雇用主働く施設・法人派遣会社
指揮命令施設施設(派遣先)
給与を払う人施設派遣会社
就業規則施設のもの派遣会社のもの
相談先施設の上司・人事派遣会社の担当者

働く場所は施設なのに、雇われているのは派遣会社。 この「ねじれ」が、派遣という働き方の利点にも欠点にもなります。

派遣が向いている場面

派遣で気をつけること

POINT

時給だけで比べない。賞与の有無を含めた年収と、 働けない期間が発生しうるかの2点で比べると、実態に近い比較になります。

紹介予定派遣という中間の形

「派遣で試したいが、最終的には直接雇用になりたい」という場合に使えるのが紹介予定派遣です。 一定期間(最長6か月)派遣として働いたあと、双方が合意すれば直接雇用に切り替わります。

通常の派遣紹介予定派遣
目的その期間働くこと直接雇用への移行が前提
期間契約による派遣期間は最長6か月
事前の選考派遣先による面接はできない面接・履歴書の提出ができる
断れるか期間終了時、どちらからでも断れる

注意点は、直接雇用が約束されているわけではないことです。 施設側が断ることも、こちらが断ることもできます。 また、切り替わったあとの雇用形態が正社員とは限らず、 契約社員になる場合もあります。ここは事前に確認してください。

「同一労働同一賃金」で何が変わったか

2020年4月から、派遣労働者の待遇についてルールが変わりました。 派遣会社は、次のどちらかの方式で待遇を決めることが義務づけられています。

派遣先均等・均衡方式労使協定方式
基準になるもの派遣先で同じ仕事をしている人の待遇厚生労働省が示す一般の労働者の賃金水準
派遣先が変わると待遇も変わりうる大きくは変わらない
実際の採用少数多数の派遣会社がこちら

多くの派遣会社は労使協定方式を採っています。 この方式では、賃金の下限が国の示す水準と結び付いているため、 「同じ仕事なのに派遣先によって極端に安い」という状態は起きにくくなりました。

また、派遣先には、食堂・休憩室・更衣室といった福利厚生施設の利用について、 派遣労働者にも直接雇用の労働者と同様の機会を与える義務があります。 「派遣だから休憩室は使えない」は、現在のルールでは通りません。

契約前に必ず確認する5項目

派遣で働くと決めたら、就業条件明示書を受け取ります。 その場で全部読むのは大変なので、最低限ここだけは目を通してください。

  1. 業務の内容: 「介護業務」とだけ書かれている場合、実際に何をどこまでやるのかを口頭で確認します。 送迎の運転や夜勤が含まれるかは、後から揉めやすい部分です
  2. 契約期間と更新の有無: 「3か月ごとに更新」なら、3か月後に終わる可能性があるということです
  3. 就業時間と休憩: シフト制の場合、早番・遅番の割合まで確認しておくと生活設計が立ちます
  4. 時給に何が含まれるか: 交通費が時給に含まれる形なのか、別途支給なのか。ここで手取りが変わります
  5. 苦情の申出先: 派遣元と派遣先の両方に担当者が決められています。 名前と連絡先を控えておいてください。困ったときに一番効きます
POINT

派遣の最大の利点は、職場との間に交渉してくれる人がいることです。 担当者の連絡先を控えていないと、その利点を使えません。

選び方の順番

迷ったら、次の順で決めると整理しやすくなります。

  1. 収入が途切れると生活が回らないか → 回らないなら直接雇用、または無期での就業を優先する
  2. 今の不満は「職場」か「仕事内容」か → 職場なら、派遣で複数の現場を見てから決めるのが合理的
  3. 資格を取りたいか → 働きながら資格を取れる制度を持つサービスがある。派遣で入る前提の制度が多い
  4. 3年後にどうなっていたいか → 役職や相談員を目指すなら、直接雇用で経験を積むほうが近道になる

形態そのものに優劣はありません。 同じ人でも、体調・家庭の状況・目指す方向によって最適解が変わります。 今の自分の条件で選ぶのが正解です。

まとめ

派遣・紹介予定派遣を扱っているサービスは、職種によって分かれています。 どこで探すかは別ページに整理しました。

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本記事は労働者派遣法および一般的な実務上の取り扱いをもとに整理したものです。 個別の契約内容は事業所・派遣会社によって異なるため、契約前に必ずご確認ください。

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