仕事のリアル
2026年09月07日 公開 ・ 退職

退職を伝えるのは2週間前でいい

あかり
あかり
台本がないと喋れない社会人/転職あるある担当
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この記事の内容

  1. 民法627条は「2週間」と定めている
  2. 就業規則に「1か月前」とあってもいいのか
  3. 有期契約の場合は扱いが違う
  4. 伝える順番を間違えない
  5. 言わなくていいこと
  6. 有給休暇の扱い
  7. 自己都合退職でも、給付制限は1か月に短縮された
  8. 退職時に受け取る書類を、先に把握しておく
  9. 退職のタイミングと、次を探すタイミングは別
  10. まとめ

「就業規則に1か月前までって書いてあるから、まだ言えない」。 退職を考え始めた人からよく出てくる話です。ただ、この前提は必ずしも正しくありません。 期間の定めのない雇用契約であれば、法律上は2週間で辞められます。

民法627条は「2週間」と定めている

民法第627条第1項は、期間の定めのない雇用契約について、 当事者はいつでも解約の申入れをすることができ、 申入れの日から2週間を経過することによって契約は終了すると定めています。

これは労働者側の「辞める自由」を保障するための規定です。 正社員など、契約期間が定められていない働き方をしている人は、この条文が適用されます。

就業規則に「1か月前」とあってもいいのか

多くの会社の就業規則には「退職する場合は1か月前までに申し出ること」といった規定があります。 これ自体は違法ではありませんし、円満に引き継ぐという意味では合理的なルールです。

ただし、法的な効力の話をすると、無期雇用の場合は民法627条が優先します。 就業規則で2か月前・3か月前と定められていても、 申入れから2週間が経過すれば退職の効果は生じます。 会社が就業規則を根拠に退職を拒否したり、強制的に在籍させたりすることはできません。

POINT

「就業規則に書いてあるから辞められない」は誤り。 ただし「だから2週間で辞めるべき」という話でもありません。法的な下限を知ったうえで、 引き継ぎの現実に合わせて日程を決めるのが実務的です。

有期契約の場合は扱いが違う

契約社員・パートなどで契約期間が定められている場合は、話が変わります。 民法627条第2項以降には、報酬の定め方に応じた解約申入れのルールがあり、 無期雇用のように「いつでも2週間で」とはいきません。

有期契約は、原則として契約期間の満了まで働くことが前提です (やむを得ない事由がある場合の例外はあります)。 自分の雇用契約がどちらなのかは、雇用契約書か労働条件通知書で確認してください。 ここを取り違えたまま進めると、話がこじれます。

伝える順番を間違えない

法律の話とは別に、実務で失敗しやすいのが「伝える順番」です。 次の順番が、もっとも角が立ちにくい形です。

  1. 直属の上司に、口頭で、二人で話せる場で伝える
  2. 上司と相談して退職日を決める
  3. 決まった内容で退職届を出す
  4. 同僚・取引先への共有は、上司が示した順序に従う

よくある失敗は、同僚に先に話してしまい、上司に噂として先に伝わるケースです。 本人にその気がなくても、以後の交渉が難しくなります。 また、退職届をいきなり提出するのも、話し合いの余地を自分から潰すことになります。

言わなくていいこと

退職理由を細かく説明する義務はありません。むしろ、次の3つは伝えないほうが無難です。

伝えるのは「退職の意思」と「希望する退職日」の2点で足ります。 理由を聞かれたら、「今後のキャリアを考えた結果」程度で問題ありません。

有給休暇の扱い

残っている年次有給休暇は、退職日までの間に取得できます。 会社には時季変更権がありますが、退職日以降に振り替える先がないため、 退職前の有給消化に対しては事実上行使できないと解されています。

逆に言えば、有給を消化しきりたい場合、その日数を含めて逆算した申し出のタイミングが必要です。 「2週間前でいい」からといってギリギリに伝えると、有給が残ったまま退職日を迎えることになります。

自己都合退職でも、給付制限は1か月に短縮された

次を決めずに辞める場合に効いてくるのが、雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)です。 ここは2025年4月にルールが変わっており、古い情報のまま判断すると計算が合いません。

従来、自己都合退職では7日間の待期期間に加えて2か月の給付制限があり、 実際に支給が始まるまで2か月以上かかっていました。 2025年4月からは、この給付制限が原則1か月に短縮されています。

さらに、離職期間中または離職日前1年以内に、 再就職に資する教育訓練を受けた場合には給付制限が解除され、 7日間の待期期間の後から受給できる扱いになりました。

POINT

「自己都合だと2か月もらえない」は、2025年4月以降は古い前提です。 ただし受給には被保険者期間などの要件があるため、 自分が対象になるかはハローワークで確認してください。

※2025年4月施行の雇用保険法改正に基づく内容です。運用の詳細や個別の該当可否はハローワークにご確認ください。

退職時に受け取る書類を、先に把握しておく

辞めるときに揉めやすいのが、退職後に届く書類です。 次の転職先の手続きや失業給付の申請に必要なので、何を受け取るのかを先に知っておくと安全です。

書類いつ何に使うか
離職票退職後(郵送されることが多い)失業給付の申請。次がすぐ決まっているなら不要
雇用保険被保険者証退職時または退職後次の会社での雇用保険の手続き
源泉徴収票退職後次の会社での年末調整、または確定申告
健康保険資格喪失証明書退職後国民健康保険への切り替え

逆に返すものは、健康保険証、社員証、名刺、貸与品(PC・携帯・制服)、 通勤定期券、会社の資料一式です。 特に業務データの扱いは後々のトラブルになりやすいので、 私物の端末に業務ファイルが残っていないかは退職前に確認しておいてください。

なお、離職票が届かない・発行してもらえないという相談は一定数あります。 会社には手続き義務があるので、届かない場合はハローワークに相談すれば対応してもらえます。

退職のタイミングと、次を探すタイミングは別

「辞めると決めてから次を探す」順番にこだわる必要はありません。 在職中に条件を確認しておき、辞める意思を伝えるのはそのあとでも遅くないです。 転職エージェントは、求人を探す以外に、条件交渉や面接日程の調整を代わりに担ってくれます。 無料で使えるので、判断に迷う段階での相談先として持っておくと安心です。

転職エージェントに相談する

まとめ

本記事は民法第627条および一般的な実務上の取り扱いをもとに整理したものです。 個別の事情については、労働基準監督署の相談窓口や専門家にご確認ください。

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