仕事のリアル
2026年09月07日 公開 ・ 求人票

求人票の「変更の範囲」を見ていますか

あかり
あかり
台本がないと喋れない社会人/転職あるある担当
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この記事の内容

  1. 2024年4月に3項目が追加された
  2. 「変更の範囲」とは何か
  3. 具体的に何を読み取るか
  4. 給与欄で必ず確認する「固定残業代」
  5. 求人票と労働条件通知書は別物
  6. 有期契約なら「更新の基準」も見る
  7. 試用期間の条件は、本採用後と同じとは限らない
  8. 書いていない場合はどうするか
  9. 自分だけで読み解くのが不安なとき
  10. まとめ

求人票を見るとき、給与と勤務地と休日だけ見ていませんか。私は見ていました。 ただ、2024年4月から求人票に書かなければならない項目が増えていて、 そこには入社後に何が変わりうるかが書かれています。読まないと損です。

2024年4月に3項目が追加された

職業安定法施行規則の改正により、労働者の募集や職業紹介事業者への求人申込みの際に 明示しなければならない労働条件として、次の3つが追加されました。

  1. 従事すべき業務の変更の範囲
  2. 就業場所の変更の範囲
  3. 有期労働契約を更新する場合の基準

それまでの求人票は「入社直後にどこで何をするか」しか書かれていませんでした。 改正後は「その後どこまで変わりうるか」まで示す必要があります。

「変更の範囲」とは何か

「変更の範囲」とは、雇入れ直後だけでなく、 将来の配置転換などの見込みも含めた、契約期間中に変わりうる範囲を指します。 就業場所については、将来的な見込みを含め、労働者が就業する可能性のあるすべての場所が対象です。

なお、一時的な他部署への応援、出張、研修などは「変更の範囲」に含めなくてよいとされています。 つまりここに書かれているのは、短期的な移動ではなく、 恒常的な配置として起こりうる範囲です。

具体的に何を読み取るか

記載読み取れること
就業場所の変更の範囲:
「本社および全国の支社・営業所」
全国転勤の可能性がある。求人票の勤務地が「東京本社」でも、それは入社直後の話
就業場所の変更の範囲:
「変更なし」
勤務地は固定。引っ越しを伴う異動は原則ない
業務の変更の範囲:
「会社の定める業務全般」
職種転換の可能性がある。営業で入って内勤に、あるいはその逆もありうる
業務の変更の範囲:
「経理業務」
職種は限定的。専門性を積みたい人には安心材料になる

「アットホームな職場です」のような雰囲気の説明より、こちらのほうがはるかに具体的です。 同じ「東京勤務・営業職」の求人でも、変更の範囲の書き方で入社後の人生設計が変わります。

POINT

転勤したくない人が確認すべきは、勤務地の欄ではなく「就業場所の変更の範囲」の欄。 ここが空欄・不明瞭な求人は、面接の場で口頭で確認しておく。

給与欄で必ず確認する「固定残業代」

変更の範囲と並んで、求人票の中で誤解が起きやすいのが給与欄です。 月給の中にあらかじめ一定時間分の残業代を含める「固定残業代(みなし残業代)」を採用している場合、 求人票には次の3点を明示することとされています。

  1. 固定残業代を除いた基本給の額
  2. 固定残業代に含まれる時間数と金額
  3. その時間を超えた分は追加で支払う旨

つまり「月給28万円」と書かれていても、 そこに45時間分の固定残業代が入っているなら、実際の基本給はもっと低いことになります。 同じ月給の求人を並べたときに、片方だけ固定残業代込みだと比較が成立しません。

見るところ

給与欄の金額ではなく、「基本給」と「◯時間分/◯円」の内訳を見る。 内訳の時間数は、その会社が想定している残業時間の目安でもあります。

求人票と労働条件通知書は別物

もう1つ押さえておきたいのが、求人票は「募集の段階の条件」であって、 実際の契約内容ではないという点です。 契約内容は、内定後に受け取る労働条件通知書(または雇用契約書)で確定します。

職業安定法では、当初示した内容から変更・特定・削除・追加を行う場合、 変更内容を求職者に明示しなければならないとされています。 求人票と違う条件で契約させて、あとから「そう書いてあった」で押し切ることはできません。

実務上のポイントは、内定が出て嬉しい時期に書類が届くことです。 そのまま署名してしまいがちですが、 求人票と労働条件通知書を並べて、給与・勤務地・業務内容・変更の範囲の4つだけは突き合わせる。 違いがあれば、署名の前に確認します。この段階なら聞けます。

有期契約なら「更新の基準」も見る

契約社員などの有期雇用では、更新の有無だけでなく 更新する場合の基準も明示事項になりました。 「契約期間満了時の業務量」「勤務成績、態度」「能力」「会社の経営状況」など、 何を見て更新を判断するのかが書かれます。

ここを読むと、その仕事が「業務量次第で切られうる仕事」なのか、 「本人の成績で判断される仕事」なのかが分かります。 同じ「更新の可能性あり」でも意味がかなり違います。

試用期間の条件は、本採用後と同じとは限らない

もう1つ見落とされやすいのが試用期間です。 「試用期間3か月」とだけ書かれている求人がありますが、確認すべきはその中身です。

なお、試用期間中でも労働契約は成立しています。 解約権が留保された状態ではありますが、会社が自由に辞めさせられるわけではありません。 「試用期間だから」を理由に不利な扱いを受けた場合は、 労働基準監督署の相談窓口が使えます。

書いていない場合はどうするか

明示は求人企業・職業紹介事業者の義務です。記載が無い、または曖昧な場合は、 応募前や面接時に確認して構いません。むしろ確認すべきです。

聞き方としては、次のように事実確認の形にすると角が立ちません。

3つ目が実は一番効きます。制度上の可能性ではなく、実際の運用が分かるためです。

自分だけで読み解くのが不安なとき

「変更の範囲」や固定残業代の内訳は、求人票を1枚読めば分かる話ですが、 実際に何社も見比べるとなると手間がかかります。 転職エージェントに相談すると、条件面で気になる箇所を代わりに確認してもらえます。 応募するかどうかは、その結果を見てから決めれば十分です。

転職エージェントに相談する

まとめ

本記事は厚生労働省が公表する職業安定法改正(2024年4月1日施行)の内容をもとに整理しています。 詳細は厚生労働省の公表資料をご確認ください。

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